●※ CERI 臭素系難燃剤分析の経験
臭素系難燃材のリスクアセスメントの背景−(分解性・蓄積性)
〜 化学物質評価研究機構での各種臭素系難燃剤の分析の経験より〜
財団法人化学物質評価研究機構 (CERI)
化学物質安全センター管理部
中園金吾
1.はじめに
近年、国民生活においては化学物質にかかわる問題が多数発生している。住宅・学校の新築や改築に伴う室内大気汚染(所謂シックハウス、シックスクール)や食品添加物が原因の「化学物質過敏症問題」、農薬中の不純物やゴミ焼却の排ガス中に含まれるダイオキシン類による農作物や大気汚染の「ダイオキシン問題」等さまざまである。
一方、産業活動においては化学物質の適正管理が益々重要な課題として位置づけられている。例えば、化学物質を製造する業界では化学物質の製造・流通・使用・消費・廃棄の全ライフサイクルにわたって環境・安全・健康面に配慮することを企業理念とした「レスポンシブル・ケア活動」の進展している。また、自動車・電気メーカー等の化学物質ユーザー業界ではより安全な原材料の利用を図るための「グリーン調達」等の具体的な例が見られる。企業活動における環境管理・監査システムの導入においても高生産量化学物質(HPVs)、残留性有機化合物(POPs)あるいは外因性内分泌攪乱化学物質(EDs)等の化学物質管理が重要な課題となっている。
化学物質のリスク(危険性)を最小限にし、ベネフィット(便益)を有効に利用し、国民が安全で安心な生活を送っていくために、国内外では官民一体となって化学物質のヒト健康と環境へのリスク評価が行われてきている。また、リスク評価の結果を国民や産業界に伝えるためのリスコミュニケーション手法の研究もスタートしている。
